転職した52歳社内SEのおぐです。
システム化のヒアリングは苦痛です。
同じことを聞いているはずなのに、タイミングによって説明が違う、と思ってしまいます。
やり方が決まっていないので、どの条件を優先させるのか、その時によって違います。
創業社長の頭の中では、何らかのロジックがあるのですが、条件がありすぎてまとまりません。
枝葉と幹の切り分けが苦手なようです。
この記事の内容
出来上がった業務フロー
SIerに勤めていた頃、企業のERP導入に携わっていました。
ERPで補えない機能を外部システムとして開発し、外部システムで処理したデータをERPに渡します。
必要な機能をヒアリングするため、製造部門のある工場で現場の担当者から情報を聞き出します。
ここで誰にヒアリングするかが重要なんですが、工場側は現場で決定権をもつ偉い人から作業担当者まで重厚なフォーメーションで参加してきます。
工場にある一番広い会議室をおさえ、プロジェクターなんか使ってISO認証や改善活動で使ってきたプレゼン資料を説明してくれます。
出来上がった業務フローは問題点が見つかりません。
これまでに何度も吟味されシステム化された業務フローです。
中小企業の業務システム
世の中でDXが叫ばれていますが、多くの企業では、これまでのIT化と同じことを「DX」と呼んでいるだけだと思います。
特に中小企業で、この20年の間、IT化から取り残されている状態だと、まず足元のシステム環境を整備しなおすのが先に必要です。
その上で、紙やFAXでのやり取りが残っている取引にAI OCRを導入したり、自動化できそうな作業はRPAツールを使ったりします。
入口のデータがデジタル化されない限りはデジタルにトランスフォーメーションするのは難しいです。
創業社長の問題解決
創業社長はいきなり問題の核心をデジタルで解決しようとします。
この数年間、やりたいことが進まなかったようで、とても焦っているのがわかります。
一刻も早く成し遂げたい気持ちは理解しています。
しかし、足元の環境が整っていないのに、そこをDXで解決させるのは無理があるんじゃないかぁ、と感じています。
説得しているのですが、なかなか納得してもらえません。
私が入社してから3カ月の間、プロジェクトは少しずつ進んでいるものの、私としては納得できない部分が多々あります。
それはプロジェクトの進捗で手戻りが多すぎるということです。
手戻りの原因だと考えられるのが、あやふやな仕様での見切り発車によるものばかりです。
そこを変えたら根本からひっくりかえるだろうなぁ、という部分の仕様が固まっていないのに、開発をすすめようとしています。
それをアジャイルと表現しているのが引っかかっています。
アジャイルなら何でもできる訳ではないでしょう。
アジャイル開発が得意な開発者なら良いのですが「アジャイル的な方法で」と言っているところをみるとあやしいものです。
更新されないシステムを使い続ける
昭和生まれのプログラマー的な考え方だと思いますが、少しずつ成果が確認できる単位で開発をしていけば良いと考えています。
いきなり問題の核心を突くのではなく、原則というは基本を押さえながら、少しずつイレギュラーにも対応しながら問題解決していきたいです。
要件定義がしっかりできてウォーターフォールで開発できるのであれば、がっつり開発でも良いのですが、社内システムでちょこちょこ修正しながら使いたいという要望の時は、すぐに成果が見えるぐらいが良いです。
結果を見ながら、次はこの機能を足していこう、という開発が向いていると思います。
最終的にはスパゲティになってしまうのですが、開発者がいる間に移行できれば大丈夫です。
ACCESSにしてもEXCELにしても、使い続けるのが問題なだけで、期間を決めて次のシステムに移行する前提で開発しなければいけません。
この30年間、それができなかったので、中小企業のITは遅れてしまったのでしょうね。
ここでめぐり逢えたみなさんにお願いです!
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