転職活動をしていて感じたのですが、IT人材の派遣ビジネスは無くなりませんね。
紹介される求人案件の99%が派遣会社です。
IT人材がヒエラルキー構造から抜け出せないのは、建設業界と同じような、派遣形態で人を集める商慣行が問題なんでしょうね。
つきつめると、システムの見積りが人月単位の開発ベースだからなんですよね。
この記事の内容
IT人材のヒエラルキー構造
IT業界の中で限られた分野しか経験していないので、IT業界全体のことをはなしているような雰囲気を出すと怒られてしまうと思いますが、いわゆるシステム開発の分野で企業からの依頼で開発を受注する企業は、元請けがあり、下請けがあり、孫請けがあります。
開発予算の規模によって、その階層が多く複雑になっていきます。
元請け企業の社員がPM(プロジェクトマネージャー)になり、コンサルやSE(システムエンジニア)が業務分析をしてシステム設計を行います。
下請けや孫請けのSEやプログラマーがプログラム開発を行います。
開発者の階層を示すとPMをトップに、コンサル、SE、プログラマー、といったヒエラルキー構造になります。
プロジェクトの規模によっては、PL(プロジェクトリーダー)やチームリーダーのような、中間管理職も設けたりします。
PMは、開発チームだけでなく、インフラチームやネットワークチームも総括している事があります。
開発プロジェクトにかかわるIT人材としては、サーバーエンジニアやネットワークエンジニア、データベースエンジニア、セキュリティ担当、などがいます。
オフコンだったので、保守もしっかりしていたし、開発会社で専門エンジニアを抱えているのは珍しいことでした。
こうしてみると従来型の開発を行っている、プログラマーからSEという流れの中ではヒエラルキー構造がありそうですが、セキュリティやインフラ、ハードウェア周りのエンジニアでは、上下関係って希薄な感じがします。
POINT
- 従来型のIT人材にはヒエラルキー構造が残っている
- ヒエラルキー構造に縛られていないIT人材もいる
IT人材がヒエラルキー構造から抜け出す方法
ヒエラルキー構造と無縁のIT人材はたくさんいます。
特に先端型のIT人材と呼ばれる、AIやIoT、セキュリティ分野を専門とするIT人材には縁が無さそうです。
会社に勤めている人がほとんどなので、職位による上下関係はあると思いますが、いわゆる元請けと下請けのようなヒエラルキー構造には組み込まれていない人たちだと思います。
先端型でなくてもIT人材が専門的な分野に特化するとヒエラルキー構造から抜け出せそうですね。
専門的な知識を身に付けるのは大変ですが、今の技術で抜け出す方法があります。
例えば、プログラマーでも、自己完結できる小さなアプリ開発を単独で行えばヒエラルキーとは無縁です。
ヒエラルキー構造は、職種による上下関係というよりも、元請けと下請けのように契約による上下関係のイメージなので、受託開発が減れば、無くなっていきそうです。
大企業向けのERPパッケージが流行りましたが、ノンカスタマイズで導入できるソフトが増えれば、業界の悪しき習慣が無くなるかもしれませんね。
IT業界のヒエラルキー構造と縁が無いIT人材といえば、社内SEもその中のひとつです。
発注元となるユーザー企業の社内SEは、開発を請け負うピラミッドとは別の位置づけです。
依頼側なので、ピラミッドの頂点のさらに上という感じでしょうか。
社内SEは業務範囲が広いですが、専門性は問われない事が多いので、ヒエラルキー構造から抜け出したいと考えているIT人材にはおすすめですね。
⇒ 自社で腰を落ち着けて仕事がしたい方は【社内SE転職ナビ】へ
POINT
- 先端型IT人材はヒエラルキー構造と縁が無さそう
- 従来型IT人材が抜けだすには社内SEがおすすめ
IT人材の技術者不足は本当?
IT技術者の不足が予想されています。
不足する主な分野は、AIやビックデータ、IoT、情報セキュリティといった先端型IT人材です。
しかし、IT人材で圧倒的に多いのは、受託開発企業のSEやプログラマーです。
こちらは、景気の動向に左右されて、不足するのか余剰となるのか、意見が分かれます。
日本は、システムの受託開発企業が多いです。
大手企業でも、パッケージソフトを導入するのは至難の業です。
業務範囲が明確になっていない企業が多いので、パッケージソフトは使いにくいですよね。
パッケージソフトを導入できないということは、業務が標準化されていないということで、非効率なんですよね。
結果、システムは開発して利用するということになり、日本はパッケージ開発企業よりも、受託開発企業が多くなって、ピラミッド型のヒエラルキー構造になるんですが、IT技術者の需要は景気に左右されてしまいます。
システム開発は設備投資なので、景気が良ければ活発におこなわれます。
逆に景気が悪ければ、今のシステムを延命して使い続ける企業が増えます。
オリンピックも延期になり、しばらく景気回復が不透明な状況なので、従来型のIT人材は余剰しそうですね。
うまく先端型IT人材にシフトできれば良いのですが、技術的な側面が強いので、難しいでしょう。
POINT
- 先端型IT人材は不足していく
- 従来型IT人材は景気によって余剰する
従来型IT人材の生き残り戦略
30代ぐらいまでの人であれば、新しい分野への挑戦は必須です。
私のような50代の人はどうしましょう?
今から最新の技術に取り組むのは大変です。
しかし、業務知識はあります。
ということで、RPAソフトに取り組むのが良いと考えています。
エクセルVBAでのプログラム開発を経験しているので、それとRPAを組み合わせて、業務の自動化が実現できれば社内SEとして需要があると考えています。
中小企業は、業務改善ではありませんが、しょっちゅう業務フローが変更になります。
同じ仕事をしていても、依頼する企業が変わると、請求書のフォーマットが変わったりします。
だからといって自動化しないと、手間ばかりかかっていきます。
基幹システムをリプレスするほどではないけど、微妙に業務とのギャップが出てきている部分を、パッケージソフトを使って改善できると良いですね。
最終的に、パッケージソフトで基幹システムを置き換えできれば、業務が効率化すると考えています。
POINT
- 従来型IT人材を活かすのはRPAソフト
- 中小企業でも業務の自動化が必要